略語を覚えず、検索して挿入。PhraseVaultの使い方

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略語を覚えず、検索して挿入。PhraseVaultの使い方
私は Gerhard Petermeir です。SPQRK IT-Services で PhraseVault を開発しています。すでに手元にある文章を打ち直すために、人が時間を費やす様子を何年も見てきました。VAT番号、IBAN、先週の火曜日に送った返信。文章はすでにあるのに、キーボードの前でまた入力してしまう。探すより、打ち直すほうが早いからです。
テキストエキスパンダーは、その繰り返しを減らすためのものです。保存するフレーズが少なければ、一般的な仕組みで十分です。VAT番号には ;vat、銀行口座の情報には ;iban、納期遅れのメールには ;okure を割り当てる。20のフレーズに20の略語があれば、便利に使えます。ところが、ライブラリは少しずつ増えていきます。3月に考えた略語が、10月には思い出せません。文章は覚えているのに、略語だけが出てこない。結局、文章を打ち直します。ツールを入れて減らしたかった作業に戻ってしまうのです。
保存した文章が間違っていたわけではありません。その文章を呼び出す方法が、自分の記憶にしか残っていなかったのです。

フレーズを見つけ、カーソルの位置に挿入する

必要な作業は単純です。使いたいフレーズを見つけて、カーソルの位置に挿入する。検索なら、30のフレーズでも300のフレーズでも、日々の仕事で同じように探せます。めったに使わないフレーズのために専用の略語を覚える必要があると、保存すること自体をやめてしまいがちです。
私が使いやすくしたいのは、年に2回しか必要にならないフレーズです。返品の案内、納期についての説明、古い問い合わせに残っているコマンド。毎日使うフレーズよりも探しにくければ、保存しなくなります。翌年には記憶を頼りに打ち直し、文章が少し変わり、その誤った版が顧客へのメールに使われるかもしれません。
だから PhraseVault には、入力すると展開されるトリガー略語がありません。保存するときに略語を考える必要も、文章とは別に略語の一覧を覚える必要もありません。会話で使うような、わかりやすい名前を付けます。検索するのはその名前と、保護されていない本文です。今朝保存したフレーズも、去年の春に保存したフレーズも、同じ方法で見つけられます。

私の使い方

テキストを貼り付けられるアプリなら、手順は同じです。メール、ブラウザの入力欄、Slack、エディタ、ターミナルでも使います。
まず、挿入したい場所にカーソルを置きます。Windows では Ctrl+.、Mac では Cmd+. を押します。PhraseVault のウィンドウが、使っているアプリの手前に開きます。これが標準のショートカットです。ほかの機能と重なる場合は、設定で変更できます。
フレーズに含まれているとわかっている文字を、いくつか入力します。名前から覚えていることもあります。VAT、納期、commit などです。本文の一部しか覚えていないこともあります。住所、製品名、気に入っていた一文。検索は、入力した語の断片を名前と照合します。保護されていないフレーズでは本文も対象になり、入力したすべての語が含まれている必要があります。実際に保存されている文字を探すので、入力ミスを自動で修正するわけではありません。名前が完全に一致する結果を先に表示し、それ以外は使用頻度の順に並べます。
PIN で保護したフレーズは、ロックを解除している間も名前だけが検索対象です。これは意図した動作です。本文に含まれる語を入力しただけで、保護したフレーズが検索結果に出ることを避けています。
検索結果の先頭が使いたいフレーズなら、Enter を押します。カーソルの位置にテキストが貼り付けられ、PhraseVault が非表示になり、クリップボードは挿入前の内容に戻ります。別のフレーズを使いたければ、その行を選んでから Enter を押します。間違って呼び出したときは Escape で非表示にできます。メニューやダイアログが開いている場合は、先にそれを閉じます。検索欄が空のままでは、行を選択するまで Enter を押しても何も挿入されません。
名前は、会話で使う言葉で十分です。「納期遅れ、金曜に入荷予定」なら、nk3 よりも思い出しやすいでしょう。メールを書きながら「金曜のあれ」と思ったら、金曜と入力します。その文字が名前か、保護されていない本文にあるので、フレーズが見つかります。保存する時点で、10月にも覚えていられる4文字を考える必要はありません。
手順はこれだけです。呼び出し、名前や保護されていない本文の一部を入力して、Enter。私は小さな事業で繰り返し使う文章を保存しています。VAT番号、IBAN、住所、毎週送るサポートの返信、残しておきたいプロンプト、ターミナルの履歴から組み立て直したくないコマンド。使っているアプリから呼び出して、検索し、挿入したら、書いていた文章に戻ります。

ほかのツールとの違い

Espanso、AutoHotkey、TextExpander は、実際の仕事で広く使われているツールです。それぞれに適した使い方があります。
Espanso はトリガーによる展開を中心としたツールで、フレーズをファイルで管理したい人向けに YAML のライブラリを使えます。AutoHotkey は、Windows で文章の挿入以外にもさまざまな操作を自動化できます。スクリプトを書いて管理するなら、ホットストリングも使えます。TextExpander は、略語による展開や共有ライブラリを長年提供してきました。Chrome 拡張では、略語を入力しなくてもスニペットの候補を提案します。
トリガー型のツールでは、略語を入力して展開するか、普段使っている自動化の仕組みに文章の挿入を組み込みます。私が解決したい範囲は、もう少し限られています。文章とは別に略語を管理するより、検索ボックスを開きたいのです。一日中使う略語が5つだけなら、トリガー型のほうが速いこともあります。PhraseVault は、フレーズが増えて略語を覚えきれなくなった人や、一文を直すためにスクリプトを開きたくない人に向けて作りました。
Espanso の YAML や TextExpander の CSV にフレーズがあるなら、PhraseVault に取り込めます。プレビューでは、フレーズごとにスキップするか上書きするかを選べます。空のライブラリから始める必要も、内容を確認せずに一括で置き換える必要もありません。

ファイルは自分のコンピュータに保存する

フレーズは、自分のディスク上の SQLite ファイルに保存されます。PhraseVault のアカウントは不要で、本文を受け取る私のサーバーもありません。アプリはオフラインで動きます。対応環境は Windows 10 以降の64ビット版と、Apple Silicon 搭載の macOS 13 Ventura 以降です。同じ利用者なら、1つのライセンスで両方を使えます。
PhraseVault はソースコードを公開しているので、コードを読むことができます。ただし、OSI が承認するオープンソースライセンスではありません。ライセンスは買い切りです。現在の価格は料金ページで確認できます。
もう1台でも同じライブラリを使う場合は、自分の Dropbox、OneDrive、iCloud で同期しているフォルダーにデータベースファイルを置きます。同期サービスは利用者自身が用意します。PhraseVault の同期プランを販売しているわけではありません。共有フォルダーを使えば、小さなチームで同じデータベースを開くこともできます。フォルダーを共有しても、利用者ごとのライセンスは必要です。
変更が反映される速さは、同期サービスによって変わります。iCloud Drive や VPN 経由の共有フォルダーでは、反映に時間がかかることもあります。リアルタイムの共同編集ツールとは言えません。1人で2台を使う場合や、チームでときどきフレーズを編集する場合には、シンプルな方法です。手元にあるファイルは、確認してコピーでき、そのコピーをバックアップとして残せます。設定でデータベースの場所を確認し、ライブラリを分けたいときには別のファイルを開けます。

名前だけで1週間試す

私が勧める試し方は、これです。1週間、同僚に話すときに使うような名前でフレーズを保存します。略語は作りません。登録する欄もありません。必要になったら Ctrl+. または Cmd+. を押し、名前や保護されていない本文から覚えている語を入力して、Enter を押します。
先月打ち直した10の文章から始めてください。VAT番号。納期遅れの案内。住所。下書きでは何度も推敲したのに、送るときには少し雑になってしまう段落。名前は、わかりやすく具体的に付けます。探す作業は検索に任せます。
ダウンロードすると、買い切りライセンスを購入する前に、カード不要の14日間の試用ができます。1週間使ってみて、入力中に展開される略語のほうがよいと感じたら、トリガー型のツールが合うかもしれません。めったに使わないフレーズも簡単に見つかるなら、PhraseVault は私が目指した役割を果たしています。
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Gerhard

SPQRK Appsの著者