薬局の定型文を PhraseVault® に登録すると、服薬指導、薬歴記載、疑義照会の文面を、貼り付けに対応した複数のソフトで再利用できます。定型文はパソコンに保存され、Windows では Ctrl+.、Mac では Cmd+. で検索を開き、必要な文を選んで Enter を押すと貼り付けられます。入力中の略号を自動展開する方式ではないため、用法ごとの略号を覚える必要はありません。
「外用 使用方法」「疑義照会 用量」など、用途がわかる名前を付けましょう。あいまい検索では、名前と保護されていない本文を、語順を問わず語の一部から検索できます。診療所で使う所見や紹介状の文例は、カルテの定型文をご覧ください。
服用方法をわかりやすく説明する
薬局で確認した説明文を保存し、処方と薬剤に合わせて修正してから使用します。以下は文の組み立て方の例です。
錠剤・カプセル:
1回[数量][錠・カプセル]を、[服用回数・タイミング]に服用してください。食事や飲み物に関する注意:[薬剤ごとの注意点]。
頓服:
[症状]があるときに[用量]を服用してください。次の服用まで[間隔]以上あけ、[期間]の上限は[処方された上限]です。
外用:
[部位]に[量]を、[回数]、[期間]塗布してください。
点眼:
[左目・右目・両目]に1回[滴数]滴、[回数・タイミング]で点眼してください。
食前の服用:
[食事]の[時間]前に[用量]を服用してください。その他の注意:[薬剤ごとの注意点]。
舌下錠:
[用量]を舌の下に置き、溶けるまでお待ちください。その他の注意:[薬剤ごとの注意点]。
よく使う文例に用途がわかる名前を付けておくと、服薬指導やお薬手帳への記載時に呼び出しやすくなります。
薬歴と服薬指導を記録する
患者対応の記録にも定型文を使えます。相談内容や確認した事項を患者さんごとに補い、入力の手間を減らしましょう。
- SOAP形式の指導記録 — 高血圧、糖尿病、脂質異常症、抗凝固薬、インスリンなど、薬効群ごとに定型化したS・O・A・Pの記載パターン
副作用の説明:
このお薬は眠気を催すことがあります。ご自身への影響がわかるまで、運転や危険を伴う機械の操作は控えてください
保管方法:
[添付文書の温度条件]で保管してください。凍結に関する注意:[注意点]。開封後は[添付文書に基づく期限]までに使用してください。
- 確認済みの相互作用に関する説明文 — 添付文書や薬剤情報を確認し、患者さんの処方に合わせて作成した説明文
- OTC相談記録 — 風邪、鎮痛、アレルギー、胃腸症状など、セルフメディケーション相談の定型記録
処方医への疑義照会を準備する
薬局は日常的に処方医とやり取りをしています。テンプレートを使えば大幅に時間を短縮できます。
確認依頼:
[医療機関名] [医師名]先生 いつもお世話になっております。[患者名]様の処方([薬剤名])について、[用法・用量・日数]をご確認いただきたくご連絡いたしました。現在の処方内容は[詳細]です。ご確認のうえ、[連絡先]へご回答いただけますと幸いです。
代替薬の提案:
処方されている[薬剤名]は、現在、入手が困難です。臨床的に同等と考えられる代替薬として[代替薬1]、[代替薬2]がございます。ご希望の変更先についてご指示をお願いいたします。
- 症状詳記・使用理由書のひな形 — 診断名、これまでの治療歴、医学的必要性を記載した、審査機関へのファクス用ひな形
保険請求や費用の案内を準備する
- 返戻・査定対応 — 請求内容、確認事項、修正内容を記入する定型文
- 再審査請求(症状詳記) — 診断名、治療歴、臨床的根拠を記入する欄を備えた不服申立てのひな形
- 自己負担額の説明 — 自己負担割合の違いや後発医薬品との差額をわかりやすく伝える定型文
麻薬・向精神薬の対応を記録する
- 本人確認記録 — 患者本人または代理人の身分確認を記録する定型文
管理記録の確認:
[日付] 麻薬管理に関する記録を確認。確認事項:[内容]。対応:[対応内容]。
- 一部調剤の記録 — 分割調剤時の記録テンプレート
調製手順と使用方法を記録する
- 調製記録 — 使用期限の設定根拠、秤量・混合手順、品質確認項目の定型文
- 患者向け使用方法の説明 — 軟膏、懸濁液、坐剤など、自家製剤ごとの使用方法説明テンプレート
ワクチン関連の問い合わせに対応する
ワクチンの供給先との連絡や、接種後の相談を医療機関へ案内する文面も保存できます。薬局で接種を行うための記録ではなく、医療機関との連絡用の例です。
医療機関への問い合わせ案内:
[ワクチン名]に関するご相談について、[医療機関名・連絡先]へお問い合わせください。お伝えいただきたい事項:[接種日・相談内容など]。
薬局向けフレーズを試す
文例集をダウンロードして PhraseVault にインポートし、ご自身の定型文作成にお役立てください。入力欄を含む文例と、修正して使う固定文が含まれています。
- 1t3x - 1回1錠、1日3回、毎食後に水またはぬるま湯で服用してください。
- nemuke - このお薬は眠気を催すことがあります。服用中は車の運転や危険を伴う機械の操作を避けてください。
- reizou - 冷蔵庫(2〜8℃)で保管してください。凍結しないでください。開封後28日以内に使用してください。
- gigi - {{input:医療機関名}} {{input:医師名}}先生 いつもお世話になっております。{{input:患者名}}様の処方について確認させていただきたい点がございます。{{input:薬剤名}}の{{select:確認項目=用量,用法,日数}}について、{{input:具体的な疑義内容}}。ご確認のうえ、ご回答をお願いいたします。
- soap0 - S)体調に変わりはありません。副作用と思われる症状は特にありません。 O)処方内容に変更なし。お薬手帳確認、併用薬なし。 A)服薬状況良好。現在の治療を継続して問題ないと判断。 P)引き続き用法用量を守って服用するよう指導。次回来局時に体調変化の有無を確認する。
機密情報を適切に管理する
PhraseVault は定型文をパソコン内、または指定した共有フォルダのデータベースに保存します。アカウントは不要で、アプリが利用状況や定型文をサーバーへ送信することはありません。共通の文例には患者情報を保存せず、挿入時に入力する運用がおすすめです。端末や共有フォルダのアクセス管理は施設側で行う必要があり、ローカル保存だけで法令への適合が保証されるわけではありません。詳しくはプライバシーの記事をご覧ください。技術的な確認のために、ソース公開の説明では、ライセンス所有者がソースを請求する手続きを案内しています。
編集画面で PINでロック を選ぶと、その定型文の本文を暗号化できます。名前は表示と検索の対象になるため、患者情報を含めないでください。PIN を忘れると、保護された本文を復元できません。
チームで確認済みの文例を共有する
チームでの共有では、管理された共有フォルダに一つのデータベースファイルを置いて使用します。変更は、次に PhraseVault を呼び出すか検索したときに表示されます。同時編集を前提とした機能ではなく、別々のオフラインコピーを統合する機能もないため、編集担当や更新のタイミングを決めておきましょう。
いつものソフトで定型文を使う
PhraseVault はクリップボード経由で貼り付けるため、通常の貼り付けに対応した入力欄で、業務ソフト、Word、Outlook、ブラウザと併用できます。専用プラグインは不要ですが、日常的に使う入力欄で動作を確認してください。挿入後は、クリップボードにあったテキストと HTML を復元します。
Windows 10・11 の64ビット版と、macOS 13以降の Apple シリコン搭載 Mac に対応しています。Mac では、システム設定 > プライバシーとセキュリティ > アクセシビリティ で PhraseVault を有効にしてください。許可がない場合は文章がクリップボードにコピーされるので、手動で貼り付けられます。
薬局で PhraseVault を試す
PhraseVault をダウンロードすると、クレジットカードなしで全機能を14日間無料で試せます。よく使う文例をいくつか登録し、内容を確認してから次の業務で使ってみてください。